秋田県産業技術センターでは、県内企業の製品開発や技術課題の解決を支援しています。 この度、株式会社ケーエンジニアリング(秋田市)が開発した「熊の箱罠通知システム」において、屋外環境での長期安定動作や耐久性を確保するための技術支援を行いましたのでご紹介します。

1. 支援の背景と製品概要

近年、クマによる被害対策が急務となる中、捕獲業務の効率化と安全確保が求められています。 株式会社ケーエンジニアリングが開発した「衝撃通知ユニット」を用いた箱罠通知システムは、以下の特長を持っています

  • 即時通知機能: 振動センサーが箱罠の作動(衝撃)を検知し、LTE通信を通じて管理者のLINEへ即座に通知します。
  • 位置情報の把握: 通知にはGPSによる位置情報が含まれ、迅速な現場特定が可能です。
  • 高い汎用性: ユニットは着脱可能で、ベルト等を使用して既存の様々な形状の箱罠(県内約550基)に簡単に取り付けられます。
  • 長寿命・高信頼性: 同社の特許技術による給電制御で1ヶ月以上の自立稼働を実現しているほか、リモートでの正常動作監視も可能です。

2. センターによる技術支援の内容

本システムは過酷な屋外環境で使用されるため、温度変化、クマによる物理的な攻撃、雷などの電気的負荷に耐えうる高い信頼性が必要です。当センターでは、これらの課題解決に向け、以下の評価試験・技術相談による支援を行いました

① 耐環境性・機械的強度の評価

屋外での長期使用やクマが暴れた際の衝撃を想定し、複合環境試験装置等を用いた試験を実施しました。

  • 温度試験: 低温から高温まで、様々な温度環境下での安定動作を確認しました。
  • 衝撃・振動試験: クマによるユニットへの攻撃や設置時の環境を想定し、衝撃波や振動(正弦波・ランダム波)を印加して耐久性を評価しました。

② 電気的安定性の評価

屋外電子機器の大敵である雷や静電気に対する耐性を確認しました。

  • 雷サージ試験: 雷による影響と同等の負荷を印加し、故障や誤動作の有無を検証しました。
  • 静電気試験: 人体や物体からの放電による電子回路への影響を評価しました。

3. 開発体制について

本開発は、県内企業が連携して取り組んだ事例です

4. 企業の皆様へ

当センターでは、製品の信頼性評価(温度、振動、電気的負荷試験など)や、センシング、電気回路、データ通信に関する技術相談を随時受け付けています。 製品開発における課題がございましたら、ぜひお気軽にご相談ください。